要望は604項目にわたります。
主なものでいうと、▽消費税10%や社会保障改悪に反対する▽子どもの医療費を県の制度として義務教育終了まで無料に▽35人学級を拡大▽一人親家庭や老人医療費助成の本人負担金や所得制限を改悪前に戻す▽南海トラフ地震の津波に備えて地域防災計画の見直し―などを求めました。
各会派、持ち時間は45分。まず宮田政調会長が全体の特徴と主な内容を説明し、その後各議員が約5分ずつ、特に強調したいことを訴えるのですが、私は、学童保育への支援と借り上げ住宅問題を取り上げました。
◆学童保育について
学童保育については、私自身も小学生の子ども2人を預けている地域方式の学童保育所が、保護者と指導員が苦労しながらもていねいな保育を実施して重要な役割を果たしていることを紹介し、▽地域方式学童への助成金増額、家賃の実額補助▽6年生まで助成対象に▽放課後子ども教室と放課後児童クラブ(学童保育)は一体化しないこと―を井戸知事に直接訴えました。
知事は、「学校に空き教室があるのに、学童保育はわざわざ外に部屋を借りて、定員も少なく無駄なことをしている」「一体化はしなくてはいけない」と一体化推進の立場で話しつつ、「基準も全然違う2つの事業だから一体化は無理でしょう」と答えました。
放課後子ども教室と学童保育は役割が全然違いますので、両立させ、それぞれを拡充すべきです。
実際、一体化を先行実施している全国の自治体の例では、子どもの人数がすごく多いのに指導員・スタッフが少なすぎて、とても保育とはいえないなどの実態があります。一体化はやめるべきです。
助成金の増額については、知事は言及しませんでした。
引き続き、学童保育の充実を求めてまいります。
◆借り上げ県営住宅の退去問題について
借り上げ住宅問題は、公営住宅法25条にある退去させる場合の事前通知義務について、県は、入居10日前の鍵渡し時に20年後の退去を記述した「入居のしおり」を配ったので義務は果たしていると正当化しています。この点をただしました。
私は、国交省監修の「公営住宅法『逐条解説』」では、入居者保護の観点から、期限が来れば退去することと、その退去時期を明記し、退去を予測することができることが必要であり、募集のパンフレットにその旨を書いていることが好ましいと述べていることを示し、「『逐条解説』ではそこまで書いてあるのに、入居決定後でしかも入居10日前の鍵渡し時に『しおり』を渡して事前通知しましたなどと言うのは、到底通用しない」と強く批判しました。
継続入居の可否を判定する第三者委員会である判定委員会が個別の事情を検討して決めるなど県は柔軟に対応するとしていますが、私は、委員会では徹底して柔軟に対応することを求めるとともに、「事前通知をしたとはとても言えない状況で、そもそも退去を迫るのは道理がない」と迫りました。
すると井戸知事は私の発言を途中でさえぎり、「事前通知が必要なのは公営住宅から出ていってもらうときだ。この場合、住み替え先として公営住宅をあっせんしているのだから事前通知はいらない」と、新たな論を持ちだしました。
一方で、「だけど柔軟に対応しますから」とも答えました。
私は他の議員の皆さんがやりとりしている間に『逐条解説』をめくり、事前通知は住み替え先として公営住宅を用意することを前提にしている、という旨の記述を見つけました。
つまり、借り上げ県営住宅から入居者を退去させて別の公営住宅に住み替えさせる場合、事前通知が当然必要ということであり、知事の新説は全く成り立ちません。
共産党の持ち時間が終わり退席する前に、知事のところに行って、『逐条解説』のその箇所を見せて説明すると、知事はフンフンという感じで聞き、何も言いませんでした。
議員1人1人でいえば知事と議論する時間は短いのですが、学童にしても借り上げにしても、当事者の切実な願いとその正当性は伝えることができたかなと思います。
井戸知事(手前左)に要求するきだ結(正面左)=11月5日 |
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