3月22日に閉会した県議会で、知事提案の2012年度県予算が成立しました。
一般会計で2兆160億円(前年度比5・3%減)の規模で、国の予算を反映し、県は「きびしい財政見通し」だとして「第2次県行革プランを基本」に作成したとしています。
予算の中身や特徴をかいつまんで紹介します。
子ども医療費助成で実施を先送りしていた5万5千人の対象者削減(所得制限の強化)を今年7月に強行する予定です。
注目される防災面では、国の「緊急防災・減災事業」で95億円計上されたり津波対策・学校の耐震化などがある一方で、住民や関係者から災害時の不安が出されている県立こども病院の人工島(ポートアイランド)移転のための設計が盛り込まれ、県立淡路病院の沿岸部移転工事を促進するものになっています。
阪神・淡路大震災の被災者をUR借り上げ復興県営住宅から追い出す問題では、誘導策としての支援金の予算(525世帯分、2700万円)を組んですすめようとしています。
自然再生エネルギーでは、昨年県制度を復活させた「住宅用太陽光発電設置費補助」の補助単価を半額(1kw当たり2万円から1万円)に減らしました。自然エネルギーを広げようとする県民の意欲に水を差すものです。ほかに融資や地熱・バイオマス、省エネなどの事業を予算化しています。
県はパナソニックへの補助金12億6千万円の返還を求めることを発表しましたが、操業を続ける尼崎第2工場や他工場を含め、23億円を来年度もパナソニックにつぎ込もうとしています。
また公共事業全体が減るなかで、「選択と集中をはかる」として、播磨臨海地域道路などの高規格道路の調査費、神戸空港への支援など、不要不急の事業は相変らずです。
県教育委員会が多くの県民、市町長などの反対を押し切って強行した普通高校の5学区への再編には、説明会・パンフレットなどの予算が組まれています。
関西広域連合を舞台に国の出先機関の丸ごと移管がすすめられ、県独自に市町への権限移譲もすすめる方針です。
このように問題の多い県予算にたいし、日本共産党県議団は予算組み替え提案を提出しました。2001年から12年連続の提出です。
お金の使い方を変えれば、県民の暮らし・福祉を充実させられることを証明するものです。
おもな内容は、暮らし・福祉の施策を削る「県行革プラン」をストップし、切実な願いを実現する予算として、
▽子ども医療費は中学校3年生まで無料に(65億円)
▽障害者や母子医療費助成を回復(9億円)
▽小学5年まで少人数学級を拡大(7億円)
▽私立学校の補助や授業料軽減(1・2億円)
▽昨年削減された学童保育補助金の復活(0・5億円)
▽4月から大幅に引き上げられる介護保険料の軽減のために基金をさらに取り崩し、保険料軽減事業費を28億円増額。これで1人平均で年間672円程度の負担を減らすことができます。
▽国民健康保険料の軽減、後期高齢者医療保険料の軽減(5・7億円)
▽地震への備えとして、民間住宅や保育所、私立学校の耐震化対策の強化(2億円)。家庭向け太陽光発電補助の補助単価を倍に拡充するなど、自然再生エネルギーの普及促進をすすめます。
▽民間住宅リフォーム助成制度創設、住宅バリアフリー事業の拡充(3・4億円)
…などです。
それらの財源として、パナソニックなどへの大企業誘致立地補助金や不要不急の公共事業などを抜本的に見直して509億円を減らし、そこから生み出される一般財源90億円と、宝くじ益金5億円、さらに基金42億円など合計139億円をあてます。
また、県債の発行額を抑制して新たな借金を271億円減らし、財政の健全化を図っています。
共産党の組み換え提案に対し、「オール与党」各党は、「公共事業は必要不可欠」(自民)、「但馬空港の見直しが必要との思いはあるが、県行革プランの否定になる」(民主)、「撤退が続いているからこそ、積極的な企業誘致を」(公明)などと反対しました。
知事提案の県予算は、自民、民主、公明、みんなの党、無所属が賛成し、成立。まさに「オール与党」です。共産党は反対しました。
今回の議会で1年の議会一回り経験しました。それまでの議会でも他党派は何でも賛成してきたわけですが、来年度の県の姿勢を決める大事な予算です。上にあげたような問題のある予算なのに、どうして賛成できるのか、付託された声の代弁者と言えるのか・・・、情けなく思いました。
2012年3月29日木曜日
2012年3月14日水曜日
1年
3・11。あの日から1年。
当日どうしていたかというと…。
私事で恐縮ですが、上の子が9日からインフルエンザにかかり、下の子も11日朝から調子が悪そう。
「しんぶん赤旗」記者の夫は「今日は絶対に休めない。どうしても取材せんとあかん。すまん」と言って、朝から出ていきました。
昼前に京都から母が来てくれ、上の子を看てもらっている間に下の子を小児救急に連れて行き、検査してもらったら、案の定インフルエンザに感染していました。
上の子は感染確認後3日目だというのに症状が改善せず「苦しい」と訴えるので、夜に同じく小児救急に行き、点滴を打ってもらいました。
こういう大変ななかで、10日は市民団体の脱原発集会であいさつする予定でしたが行けなくなり、メッセージを送るだけになりました。
11日は母が来てくれたので、何とか短時間だけ、三宮・東遊園地で開かれた集会「『あれから1年』集会 震災復興・原発ゼロへ 兵庫から想いを寄せて」に参加しました。
壇上から画家の増山麗奈さんが、今も続く放射能汚染の危険や脱原発を訴えていました。
増山さんは、イラク戦争のとき、「ピンクゲリラ」と名乗ってビキニ姿で反戦デモをして一躍有名になったツワ者。3・11後、東京から西宮に移住し、いまは母親の立場から放射能から子どもを守る活動を展開しておられるそうです。
「偉い人が解決してくれる時代ではない。私たちが頑張って原発を止めましょう」と熱く訴えられました。うん、同感。
その次に原爆被爆者の女性の方が、「福島の女子高生が『私たちは将来、子どもを産んでもいいんでしょうか』と話しているのを聞いて、ああ、50年前の私たちと同じだと思った」と発言。胸に突き刺さりました。
地震が起きた午後2時46分、黙とうを捧げました。
犠牲になった方がたの無念の気持ちに常に思いをはせ、生きていかなくてはと思います。
重いことですが、それが阪神・淡路大震災も体験した私自身の責務というか使命というか、漠然とながらそんな風に思っています。
◆1年で感じること
阪神・淡路の経験から、ずっと気になっていたのが、生き残った被災者の方々の生活と生業の再建です。
ところが、避難所や仮設住宅で発見された自殺者が55人、仮設住宅の孤独死は22人にのぼることが報道されていました。
自宅の再建、事業所の再建が難しい、仕事がない、漁業の水揚げ量が回復しない(宮城県の気仙沼、女川、石巻の3港はいまも7割減。船が足らず、魚を加工・冷凍する工場が復旧しないため)……。これらは、各紙の被災者アンケートでどれも高い割合です。
漁業を除けば、阪神・淡路のときとほとんど同じ姿です。
確かに、阪神のときとは違って公的支援の制度は前進していますが、被災者が生活と生業を再建できる水準ではない。使い勝手の問題もあると聞きます。
そのうえ、野田政権は消費税を10%にしようとしています、そして農林漁業を壊すTPP(環太平洋連携協定)に参加しようと。
阪神のときも、震災の2年後の1997年に消費税が5%に引き上げられ、それによって引き起こされた大不況で被災者、特に被災業者が大打撃を受けました。あのとき「立ち上がろうとしているときに頭の上にハンマーを振り下ろされたようだ」と言った人がいました。
今度はもっと大幅な税率アップです。被災地がどうなるか、推して知るべしですよね。
いろんな状況があまりにも阪神・淡路と似ています。
消費税増税にしろTPPにしろ、被災者は誰も望んでいません。要求しているのは財界とアメリカです。
お金があり余っている大企業、富裕層に増税して応分の負担をさせれば社会保障を守れるのに、2012年度も大企業には減税がされます。
一方、原発問題。
政府は、あれだけの大惨事が起きた後なのに、停止中の原発を再稼働させようとしています。特に福井の大飯原発3・4号機を。
事故原因の解明も、安全性の確認も、防災対策もできていません。ストレステスト(1次評価)については、原子力委員会の斑目委員長が「安全評価としては不十分」と言っています。
大飯原発は付近を走る3つの活断層の連動地震の可能性が指摘され、その影響を調査中なのに、もう再稼働という話になっている。
こういうなかで、安全という点では何の保証もないのに再稼働へむけて「政治判断する」という野田首相の態度は、もう常軌を逸しているというほかありません。
もし大飯原発など福井の原発で事故が起きれば、関西一円に汚染が広がります。
また政府予算案で、この期に及んでも原発推進予算が4200億円も計上されています。
こうした政府の姿勢に、やはり喜ぶのは電力会社です。
結局、誰のための国なのか、誰のための政治か、ということです。
「統治機構を変える」という人もいますが、統治機構の問題ではないでしょう。
財界とアメリカのための政治を断ち切り、国民のための政治に変えることこそ必要だと思います。
被災者の暮らし再建を最優先した本当の復興と、原発ゼロを実現するたたかいは、国民のための政治、国民が主人公の日本に変えてゆくことに直結します。
作家の小田実さん(故人)が言った「人間の国」をめざすたたかいです。
私も、その中の1人であり続けたいと思います。
当日どうしていたかというと…。
私事で恐縮ですが、上の子が9日からインフルエンザにかかり、下の子も11日朝から調子が悪そう。
「しんぶん赤旗」記者の夫は「今日は絶対に休めない。どうしても取材せんとあかん。すまん」と言って、朝から出ていきました。
昼前に京都から母が来てくれ、上の子を看てもらっている間に下の子を小児救急に連れて行き、検査してもらったら、案の定インフルエンザに感染していました。
上の子は感染確認後3日目だというのに症状が改善せず「苦しい」と訴えるので、夜に同じく小児救急に行き、点滴を打ってもらいました。
こういう大変ななかで、10日は市民団体の脱原発集会であいさつする予定でしたが行けなくなり、メッセージを送るだけになりました。
11日は母が来てくれたので、何とか短時間だけ、三宮・東遊園地で開かれた集会「『あれから1年』集会 震災復興・原発ゼロへ 兵庫から想いを寄せて」に参加しました。
壇上から画家の増山麗奈さんが、今も続く放射能汚染の危険や脱原発を訴えていました。
増山さんは、イラク戦争のとき、「ピンクゲリラ」と名乗ってビキニ姿で反戦デモをして一躍有名になったツワ者。3・11後、東京から西宮に移住し、いまは母親の立場から放射能から子どもを守る活動を展開しておられるそうです。
「偉い人が解決してくれる時代ではない。私たちが頑張って原発を止めましょう」と熱く訴えられました。うん、同感。
その次に原爆被爆者の女性の方が、「福島の女子高生が『私たちは将来、子どもを産んでもいいんでしょうか』と話しているのを聞いて、ああ、50年前の私たちと同じだと思った」と発言。胸に突き刺さりました。
地震が起きた午後2時46分、黙とうを捧げました。
犠牲になった方がたの無念の気持ちに常に思いをはせ、生きていかなくてはと思います。
重いことですが、それが阪神・淡路大震災も体験した私自身の責務というか使命というか、漠然とながらそんな風に思っています。
11日は三宮・東遊園地で開かれた集会に参加しました。 |
阪神・淡路の経験から、ずっと気になっていたのが、生き残った被災者の方々の生活と生業の再建です。
ところが、避難所や仮設住宅で発見された自殺者が55人、仮設住宅の孤独死は22人にのぼることが報道されていました。
自宅の再建、事業所の再建が難しい、仕事がない、漁業の水揚げ量が回復しない(宮城県の気仙沼、女川、石巻の3港はいまも7割減。船が足らず、魚を加工・冷凍する工場が復旧しないため)……。これらは、各紙の被災者アンケートでどれも高い割合です。
漁業を除けば、阪神・淡路のときとほとんど同じ姿です。
確かに、阪神のときとは違って公的支援の制度は前進していますが、被災者が生活と生業を再建できる水準ではない。使い勝手の問題もあると聞きます。
そのうえ、野田政権は消費税を10%にしようとしています、そして農林漁業を壊すTPP(環太平洋連携協定)に参加しようと。
阪神のときも、震災の2年後の1997年に消費税が5%に引き上げられ、それによって引き起こされた大不況で被災者、特に被災業者が大打撃を受けました。あのとき「立ち上がろうとしているときに頭の上にハンマーを振り下ろされたようだ」と言った人がいました。
今度はもっと大幅な税率アップです。被災地がどうなるか、推して知るべしですよね。
いろんな状況があまりにも阪神・淡路と似ています。
消費税増税にしろTPPにしろ、被災者は誰も望んでいません。要求しているのは財界とアメリカです。
お金があり余っている大企業、富裕層に増税して応分の負担をさせれば社会保障を守れるのに、2012年度も大企業には減税がされます。
一方、原発問題。
政府は、あれだけの大惨事が起きた後なのに、停止中の原発を再稼働させようとしています。特に福井の大飯原発3・4号機を。
事故原因の解明も、安全性の確認も、防災対策もできていません。ストレステスト(1次評価)については、原子力委員会の斑目委員長が「安全評価としては不十分」と言っています。
大飯原発は付近を走る3つの活断層の連動地震の可能性が指摘され、その影響を調査中なのに、もう再稼働という話になっている。
こういうなかで、安全という点では何の保証もないのに再稼働へむけて「政治判断する」という野田首相の態度は、もう常軌を逸しているというほかありません。
もし大飯原発など福井の原発で事故が起きれば、関西一円に汚染が広がります。
また政府予算案で、この期に及んでも原発推進予算が4200億円も計上されています。
こうした政府の姿勢に、やはり喜ぶのは電力会社です。
結局、誰のための国なのか、誰のための政治か、ということです。
「統治機構を変える」という人もいますが、統治機構の問題ではないでしょう。
財界とアメリカのための政治を断ち切り、国民のための政治に変えることこそ必要だと思います。
被災者の暮らし再建を最優先した本当の復興と、原発ゼロを実現するたたかいは、国民のための政治、国民が主人公の日本に変えてゆくことに直結します。
作家の小田実さん(故人)が言った「人間の国」をめざすたたかいです。
私も、その中の1人であり続けたいと思います。
2012年3月8日木曜日
借り上げ住宅問題で申し入れ
借り上げ復興公営住宅の入居者が退去を迫られている問題で先日、日本共産党の堀内照文衆院近畿ブロック比例候補と私たち県議団が、「追い出しをやめ、安心して住み続けられる対応をせよ」と井戸敏三県知事あてに申し入れました。
申し入れでは、
▽住み替え困難な人への対処方針を決める検討委員会の公開
▽説明会を全借り上げ県営住宅で開き、入居者の声を聞くこと
▽説明会もしていないのに一方的に転居に追い立てる、住み替え案内の郵送(2月分)をやめること
▽空き家が増えているが、共益費(自治会費)を値上げしないこと
――を要求しました。
みなさん口々に訴え、私は、
「夏にあっせん案内が郵送され、『早く出なくては大変だ』と思いこんで転居したが、『寂しい。誰か会いに来てほしい』と困っている人がいます。説明会も開いていないのに2月の郵送はやめるべきです。こういう人たちをまた生み出してしまう」
「『あっせん』のせいで転居する人が増えてきており、共用部分・設備の維持などの費用を残りの住民だけで負担するのか、共益費が値上げされるのではないか、という不安の声が結構ある。負担増にならないようにすべきです」
と県当局に迫りました。
これにたいし県側は、
①「検討委のメンバーから『非公開の方がやりやすい』と言われた。デリケートなことでもあるし、忌憚のない意見を出してもらうために非公開で」
②「説明会は要望があれば可能な限り対応する」
③「郵送する住み替え案内は、希望の住宅があれば出てもらえばいいというもので、希望の住宅がなければ無理に出てもらう必要はない」
④「共益費は入居者の負担が増えないようにしたい」
――と答えました。
私たちは検討委員会の公開についてさらに、「こんな大事な問題の検討を秘密裏にやるのは、県民目線からとても理解できない」「忌憚なくというが、いい加減な議論ではダメだ。知られるとまずい意見でも出るのか。公開してこそ責任ある議論になる」と厳しく批判しました。
同時に、③、④の回答は今後に生かせるものだと思います。
被災者の方々が安心して住み続けられるよう、これからも力を尽くします。
申し入れ書を県側に手渡す、(右から)ねりき恵子県議、 堀内照文衆院候補、私、杉本ちさと県議 |
申し入れでは、
▽住み替え困難な人への対処方針を決める検討委員会の公開
▽説明会を全借り上げ県営住宅で開き、入居者の声を聞くこと
▽説明会もしていないのに一方的に転居に追い立てる、住み替え案内の郵送(2月分)をやめること
▽空き家が増えているが、共益費(自治会費)を値上げしないこと
――を要求しました。
みなさん口々に訴え、私は、
「夏にあっせん案内が郵送され、『早く出なくては大変だ』と思いこんで転居したが、『寂しい。誰か会いに来てほしい』と困っている人がいます。説明会も開いていないのに2月の郵送はやめるべきです。こういう人たちをまた生み出してしまう」
「『あっせん』のせいで転居する人が増えてきており、共用部分・設備の維持などの費用を残りの住民だけで負担するのか、共益費が値上げされるのではないか、という不安の声が結構ある。負担増にならないようにすべきです」
と県当局に迫りました。
これにたいし県側は、
①「検討委のメンバーから『非公開の方がやりやすい』と言われた。デリケートなことでもあるし、忌憚のない意見を出してもらうために非公開で」
②「説明会は要望があれば可能な限り対応する」
③「郵送する住み替え案内は、希望の住宅があれば出てもらえばいいというもので、希望の住宅がなければ無理に出てもらう必要はない」
④「共益費は入居者の負担が増えないようにしたい」
――と答えました。
私たちは検討委員会の公開についてさらに、「こんな大事な問題の検討を秘密裏にやるのは、県民目線からとても理解できない」「忌憚なくというが、いい加減な議論ではダメだ。知られるとまずい意見でも出るのか。公開してこそ責任ある議論になる」と厳しく批判しました。
同時に、③、④の回答は今後に生かせるものだと思います。
被災者の方々が安心して住み続けられるよう、これからも力を尽くします。
「入居者を追い出すな」と訴える、堀内候補と党県議団。正面左が私 |
2012年3月2日金曜日
中学校給食 姫路を視察
先日、「中学校給食を実現する東灘区の会」で姫路市教育委員会を訪れ、同市の中学校給食の状況について説明を受けて、試食もしました。
姫路市の中学校給食は、献立は市の栄養士が作りますが調理・配送などを民間業者に委託して弁当形式(「ランチボックス」ということが多い)で学校に届けられる「デリバリー弁当箱方式」というもので、それと家庭弁当のどちらかを選ぶ「選択制」を組み合わせたものです。
比較的新しく中学校給食を導入した都市部の自治体では、この「選択制+デリバリー弁当箱方式」を実施しているところが一定数あります。
これも完全給食の一種ですが、あまり評判がよくありません。そこで、実際どんなものか調べに行こうとなりました。
担当の課長さんが親切に応対して下さいました。
パワーポイントを使った説明では、少数の生徒がデリバリー弁当給食を配膳する10分間、家庭弁当の生徒が待ち、さらに一緒に机を並べて食事する場面がありました。
これでは給食を選んでいる生徒が肩身の狭い思いをするのでは、と心配になりました。
デリバリー給食は、この「弁当箱方式」と、学校まで大きな寸胴などで運ばれ、それを取り分けて配膳する「食缶方式」があります。
課長さんから、▽衛生管理基準でデリバリー給食は60度以上か10度以下にしなくていけないので姫路のような弁当箱方式では「冷たいおかず」になり、▽アレルギー対応食ができないこと、▽選択制のデリバリー弁当は経費が安く早期実施できると始まったが給食を利用する生徒はわずか19・5%、▽そういうもとで今後のあり方を再検討する――などの説明がありました。
実は姫路の市会議員さんからこんな話を聞いていました。
デリバリー弁当給食は子どもがおいしいと思わないことに加え、お母さんたちは子どもの面倒を見ていないとか手を抜いていると思われたくないので必死に家庭弁当をつくり、給食利用者がどんどん減るらしいです。
「選択制+デリバリー弁当箱方式」の給食では、そういうふうになりやすいんですね。視察を通じて弊害が多い方式だと痛感しました。
やっぱり、全員で食べる、ちゃんとした給食でなくてはなりません。当たり前のことですが。
神戸も世論の力で給食実施の流れが大きくなっていますが、気を許すと姫路タイプになる危険性が強い。頑張らなくてはいけません。
姫路も改善が必要です。
課長さんが利用率を上げるための苦労話もされ、「給食はやっぱり、(自校で調理する)自校方式が理想ですね」とおっしゃっていたのが印象的でした。
![]() |
試食しているところ。(向こう側右から)松本市議、西市議、私です。 |
姫路市の中学校給食は、献立は市の栄養士が作りますが調理・配送などを民間業者に委託して弁当形式(「ランチボックス」ということが多い)で学校に届けられる「デリバリー弁当箱方式」というもので、それと家庭弁当のどちらかを選ぶ「選択制」を組み合わせたものです。
比較的新しく中学校給食を導入した都市部の自治体では、この「選択制+デリバリー弁当箱方式」を実施しているところが一定数あります。
これも完全給食の一種ですが、あまり評判がよくありません。そこで、実際どんなものか調べに行こうとなりました。
担当の課長さんが親切に応対して下さいました。
パワーポイントを使った説明では、少数の生徒がデリバリー弁当給食を配膳する10分間、家庭弁当の生徒が待ち、さらに一緒に机を並べて食事する場面がありました。
これでは給食を選んでいる生徒が肩身の狭い思いをするのでは、と心配になりました。
デリバリー給食は、この「弁当箱方式」と、学校まで大きな寸胴などで運ばれ、それを取り分けて配膳する「食缶方式」があります。
課長さんから、▽衛生管理基準でデリバリー給食は60度以上か10度以下にしなくていけないので姫路のような弁当箱方式では「冷たいおかず」になり、▽アレルギー対応食ができないこと、▽選択制のデリバリー弁当は経費が安く早期実施できると始まったが給食を利用する生徒はわずか19・5%、▽そういうもとで今後のあり方を再検討する――などの説明がありました。
実は姫路の市会議員さんからこんな話を聞いていました。
デリバリー弁当給食は子どもがおいしいと思わないことに加え、お母さんたちは子どもの面倒を見ていないとか手を抜いていると思われたくないので必死に家庭弁当をつくり、給食利用者がどんどん減るらしいです。
「選択制+デリバリー弁当箱方式」の給食では、そういうふうになりやすいんですね。視察を通じて弊害が多い方式だと痛感しました。
やっぱり、全員で食べる、ちゃんとした給食でなくてはなりません。当たり前のことですが。
神戸も世論の力で給食実施の流れが大きくなっていますが、気を許すと姫路タイプになる危険性が強い。頑張らなくてはいけません。
姫路も改善が必要です。
課長さんが利用率を上げるための苦労話もされ、「給食はやっぱり、(自校で調理する)自校方式が理想ですね」とおっしゃっていたのが印象的でした。
登録:
投稿 (Atom)